【愛着障害】回避型の特徴と克服方法

愛着障害

こんにちは、心理カウンセラーの角田元輝です。今回は、愛着障害の中でも「回避型」の特徴とその克服方法についてお話しします。愛着障害は幼少期の経験が原因で形成されることが多いですが、回避型の愛着スタイルを持つ方々は、人間関係において独特の回避傾向を持っています。この特徴を理解して克服していくことで、より安定した人間関係を築けるようになります。

では、その特徴を見ていきましょう。

 距離を置いた人間関係を好む

回避型の方は、人間関係において感情的なやり取りを避け、物理的にも心理的にも他者と距離を置こうとする傾向があります。他者と親密になることに不安や恐怖を感じやすく、距離を保つことで自分を守ろうとします。このような態度は、一見冷たい印象を与えることもありますが、実際には深い傷つきや過去のトラウマから自分を守ろうとして起きていることなのです。回避型の人は過去に他者に傷つけられた経験から、「心を開くこと=傷つくこと」と無意識で認識しているため、心を閉ざしてしまうのです。

冷めた態度に見えることが多い

回避型の方々は、本気で熱中するということが少なく、周囲からはクールでドライな印象を持たれることがあります。感情を表に出すことが少なく、心の中で無意識に感情をシャットダウンしてしまいます。さらに感情的な反応を示すことに不安や恐れを感じるため、悲しみや切なさを感じる前にその感情を押し殺してしまうことがあります。その結果、周囲の人々からは冷静で理性的に見える一方で、本人は強い孤独感や不安を抱えていることが少なくありません。

自分を表現するのが苦手

回避型の方は、人との接触を避ける傾向があるため、感情や思考を表現することが苦手です。特に、会話の微妙なニュアンスや相手の感情を読み取るのが得意ではなく、コミュニケーションにおいて誤解を生んでしまうこともあります。例えば、相手が悲しんでいる時に「怒っている」と読み取ってしまったり、逆に、自分が「怒り」を感じた際に、本当はそれが「悲しみ」だったりすることがあります。このような誤解がコミュニケーションの妨げとなり、人間関係の不和が起きてしまうのです。

面倒くさがりで回避的な傾向

回避型の方は、やらなければならないことに対して「面倒だ」と感じることが多く、つい先延ばしにしてしまうことがあります。問題や挑戦を避ける傾向が強く、更には、世の中や人間関係から逃げたいという気持ちから、引きこもってしまうこともあります。でも実は、これも自己防衛の一つで、傷つくことを避けようとする結果なのです。しかし、この回避的な態度が続くと、ますます生活や人間関係に支障をきたし、本人は余計に辛くなってしまうと思います。


克服ステップは?

では、回避型の特徴をどう克服していけば良いのでしょうか?克服するためには「少しずつ自分の感情に向き合い、他者との関わり方を変えていく」ことが重要になります。いくつか紹介していきますね。

1. 自分の感情を外に出す

回避型の方は、自分の感情に鈍感であることが多いですが、少しでも「ツラい」と感じた時には、あえてその感情を外に出してみることが大切です。例えば、少しの”悲しさらしきもの”を感じたら、それを「気のせいだ」と抑えてしまわずに、「今、私は悲しい。」とあえて言葉に出してみてください。また、感情を外に出す方法として紙に書くことも有効です。自分が感じていることを書き出すことで、客観的に自分の気持ちを整理できるため、心が軽くなります。

2. 信頼できる人に話す

自分の感情を誰かに話すことで、回避型の方は自己表現のスキルを身につけることができます。信頼できる友人やパートナー、カウンセラーに、自分の感情を話してみましょう。最初は難しく感じるかもしれませんが、少しずつ話すことで、感情をより大きく感じられるようになっていきます。そして聞いてもらうことを通して、相手からの受け入れや共感を感じることができ、自分の気持ちを理解してもらう喜びを実感することができます。最初は辛いかもしれませんが、感情を通してご自身を見つめていくことが大切です。

3. 感情のトラウマを癒す

回避型の方は、幼少期に感情を表現することが傷つけられた経験があることが多いです。そのため、感情を表に出すことに対して恐れを感じることがあります。もし可能であれば、過去の感情的なトラウマをカウンセリングなどを通じて癒すことが重要です。過去の痛みを癒すことで、回避型の特徴を少しずつ克服し、より健康的な人間関係を築けるようになります。

4. 少しずつ人との関わりに挑戦する

回避型の方は、他者との関係を避けがちですが、少しずつ自分の居心地が良い範囲で人との関わりを増やしていくことが重要です。例えば、短い時間でも友達と会ったり、親しい人と電話する機会を作ることから始めてみましょう。最初は緊張や不安を感じるかもしれませんが、徐々に自分が他者と関わることに慣れていき、安心感を感じるようになるはずです。

5. 感情を認識し、受け入れる

回避型の方は、自分の感情を認識することが難しい場合がありますが、感情を意識的に感じ取ることが大切です。「今、私は何を感じているのか?」と自分に問いかけ、その感情を受け入れることで自分自身を理解が進み、癒しが始まります。


まとめ

回避型の特徴を持つ方々は、過去の経験から人間関係において困難を抱えやすいと思います。しかしご自身の気質を理解し、少しずつ向き合っていくことで、健康的な人間関係を築くことができます。大切なのは、感情を無理に抑え込まず、少しずつ外に出してみること。そしてできれば、信頼できる人にその感情を聞いてもらうことが大切です。時間がかかるかもしれませんが、焦らず進んでいきましょう。この記事の内容が少しでも参考になれば幸いです。もしあなたが回避型の特徴を克服しようと決心して、第一歩を踏み出す勇気を持てたなら、それが一番の成果だと思います。

今回は以上です。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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