アダルトチルドレンの生きづらさの原因は、家族との関係が安定していなかったことにあります。幼少期に親からの愛をもらうために、やむにやまれぬ中で選んできた行動。それが今でもパターンとして残っていることが苦しさの主な原因です。今回はアダルトチルドレンの大まかな6つのタイプと改善のポイントを解説していきます。自分に近いタイプを知ることができれば、皆さんの生きづらさとの向き合い方が少しづつ変わっていくと思います。
典型的ないい子を演じる「ヒーロー」
周りからの印象は、しっかり者でスポーツも成績も優秀。努力を惜しまない頑張り屋さん。そんなふうに見られています。しかしその頑張りは自分のためではなく、両親を喜ばせるためのもの。親から認められるため、家族の雰囲気を良くするため、懸命にヒーローを演じます。そして自分の頑張りで親が喜んでくれると、ますます頑張ってしまうのです。一見すると何も問題がなさそうに見えますが、その努力自体は親のためであり、そのことに本人は無自覚なことが多いです。
家族の問題を背負う「スケープゴート」
スケープゴートとは「いけにえ」や「身代わり」という意味です。一家のダメな部分を1人で背負い、家庭の崩壊を防ごうとします。「この子さえいなければ家族は平和なのに」と両親が思うことで、親の仲を取り持つことも。あえて問題を起こして悪者を演じ、自らがオトリとなることで、家族のバランスを取ろうとします。
傷つかないためにいないふり「ロスト・ワン」
家族から傷つけられないために、ひっそりと気配を消そうとします。一緒にいたかと思えば、いつの間にかいなくなっていることも。その場から消えても、家族は気がつきません。中学生ぐらいになると、友達との約束などを理由にして帰らないことも。そして帰ってもいないふりをするのが特徴です。
おどけて周囲を気づかう「ピエロ」
家族の暗い雰囲気を変えるために、面白いことを言ったりおちゃらけたりして、空気を和まそうとします。自分が抱えた不安や寂しさは押し込めて、家族のために明るい自分を演じます。外からはひょうきんな性格に見えるので、他人から本当の自分を理解してもらえず辛くなることも。周りの雰囲気や人の表情を読み取ることが上手く、ムードが険悪になることを防ごうとします。
お母さんの愚痴を聞く「プラケーター」
暗い顔をしている母に、「大丈夫?」と声をかけてあげるような子供です。そのまま延々と、母の愚痴をきてあげるような優しさを持っています。しかし、他人に寄り添いすぎてしまい、自分を後回しにすることが多いです。そのため自分の人間関係がおろそかになってしまいます。
家族を一生懸命に支える「イネイブラー」
長女がお母さんの代わりになったり、息子が夫の代わりになったり。イネイブラーは、幼少期から親の代わりに献身的に家族に尽くしています。自分を犠牲にして、家のためによく働き、家庭を守ってきているのです。最悪のケースでは、娘が妻役として振る舞うことで父親から性的虐待を受けることも。また、母と息子が夫婦関係のように離れられなくなることもあります。
アダルトチルドレンの改善のカギとは?
アダルトチルドレンの改善に大切なのは「気づく」ことです。今まで無自覚にやっていた行動に目を向けることは、次の行動を変化させてくれます。ありのままの自分を受け入れていく準備ができていくのです。そして続けるうちに徐々に、自己肯定感があがって、最終的に人生の選択が変わっていくのです。小さな心がけではありますが、大きな変化へとつながっていくものだと思います。ただ、どうしてもつらい時は、カウンセラーや自助団体を頼ることも忘れないでください。そもそも、今の苦しさはあなたのせいじゃありません。アダルトチルドレンの生きづらさには、幼少期に役割を演じるしかなかった”仕方なさ”があります。だからご自身を責めないでください。喜んであなたを手助けしてくれる人はたくさんいます。もう生きづらさを1人で抱え込まなくて大丈夫です。なにかしらの気づきになれば幸いです。今回はこの辺で。ありがとうございました。
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