こんにちは、心理カウンセラーの角田元輝です。
今回は「愛着障害」の中でも特に不安型の特徴と、その克服のプロセスについてお話しします。不安型で悩む方にとってこの記事が少しでも役立ち、心が軽くなるきっかけになれば幸いです。
愛着障害「不安型」の特徴とは?
1. 人の顔色が気になりすぎてしまう
不安型の方は、相手の表情や反応に非常に敏感です。少しでも相手の顔が曇ったように見えると、「嫌われたかもしれない」と不安になり、他のことが手につかなくなることも。日常生活や仕事に支障をきたすこともあり、周囲への気遣いが過剰になってしまいやすいです。こうした状態が続くと「しんどい」と感じることも少なくないでしょう。
2. 拒絶や見捨てられる不安
不安型の方は、人間関係において愛情や思いやりを重視しており、見捨てられることに強い恐怖を感じます。このため、相手に嫌われていないか確認する試し行動を繰り返したり、相手に合わせすぎたりすることがあります。それによって自分の意見を言えなくなり、無理な要求を断れず、都合よく利用されてしまうことも。結果として自分の価値をさらに低く感じてしまう悪循環に陥りやすいのです。
3. パートナーへの過剰な依存
親密な関係を築くほど、相手を自分の一部のように感じてしまうことがあります。
その場合、次のような行動に出ることがあります。
- 試し行動をして愛情を確かめようとする
- 相手が返信しないことに過剰に反応し、怒りや不安を募らせる
- 嫉妬心が強くなり、怒りをコントロールできなくなる
不安型の方は近しい人に対して「どれだけ愛されているか」を常に確認したくなる一方で、逆に、ある程度距離がある関係ではとても優しく、気配りができる人であることも特徴です。
不安型の苦しさの原因とは?
不安型の方は、周囲の目を気にしすぎることで自己否定感が強まりやすく、「見捨てられる恐怖」と「依存」が深まる傾向があります。さらに、失敗や人間関係のトラブルがあると、「やっぱり自分はダメなんだ」「きっと誰からも愛されないんだ」といった強烈な自分責めをしてしまうことにつながったりします。
例えば、パートナーや友人に距離を置かれると、初めは強烈な怒りが湧いてきても、最終的には「自分に問題があるのかも」とご自身を責めてしまうのです。この自己否定感がさらなるツラさを生み、不安を大きくさせる要因になっています。
不安型の克服プロセス
では、どうすればこの不安型の苦しみから抜け出し、自分らしく生きることができるのでしょうか?ここからはその方法をお伝えしていきます。
1. 自己否定を止める練習
自己否定が湧いてきたら、まずその気持ちに気づくことが大切です。
たとえば、自分を責めたくなったら次のように感情を言葉にしてみてください。
- 「また自分をダメだと思っているんだね」
- 「同じ失敗を繰り返していると感じているんだね」
- 「こんなに落ち込むなんて、自分を情けないと思っているんだね」
感情を声に出したり紙に書いたりすることで、ご自身の心を客観的に見つめることができます。そしてその感情に「良い」とも「悪い」とも評価しないで、ただ、感じたままに淡々と受け入れることが大切です。これがやがて安心感へとつながっていきます。
2. 相手に正直な気持ちを伝える
もし、パートナーや近しい人に試し行動をしたくなったら、その行動を一旦止めて、相手に正直な気持ちを伝えてみましょう。
たとえば、メールやLINEの返信が来なくて不安になったときに、「どうして連絡をくれないの!」と怒るのではなくて、「私はあなたから返信が来なくてすごく不安で、嫌われたんじゃないかって思ってしまっているんだ」という感じで、相手にご自身の素直な気持ちを伝えてみてください。これによってご自身の気持ちも落ち着いていきますし、相手側との関係性もより良くなっていきます。
3. 不安を受け入れる。小さな変化を重ねる。
不安型の方は孤独感に苛まれる夜や、不安で胸がいっぱいになる日があるかもしれません。でもあえて、自分に対して労るような心理テクニックを利用して、少しでも心を安心させていきたいところなのです。心において、小さな変化は大きな変化につながりやすいです。
たとえば、
- 一日一回、自分を褒める
- 今日は思い切って「NO」と言ってみる
- 他人の目ではなく、自分の気持ちを基準に選択してみる
こうした小さな積み重ねが、不安型を解消する大事なステップになります。
まとめ
愛着障害の「不安型」は、周囲の人間関係に振り回されやすく、しんどいことが多いかもしれません。しかし、苦しみを感じた時には、その感情に気づき、少しずつ受け入れることが第一歩になります。完璧な人間なんていません。少しずつ実践していかれると良いですよ。
また、不安型の方は他人に優しく、思いやりを持っています。そこを「自分の長所」として見つめ直しつつ、ご自身を労ってあげてください。必ず変わることができます。一人ではありませんよ。一緒に頑張りましょう。
今回は以上です。ありがとうございました。
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