【愛着障害】恐れ・回避型の特徴と克服方法

愛着障害

愛着障害「恐れ・回避型」の方の内面は、とても複雑な状態になっています。

なぜなら内面に、愛着障害の「不安型」と「回避型」の両方の特徴が内在しているからです。「不安型」の特徴である「独特の寂しさや孤独感」。そこに「回避型」の「人付き合いが面倒である」という特徴が加わってきます。よって余計に人間関係は錯綜し、複雑なものになってしまいます。私自身もそうでしたが、恐れ回避型の方は「自分でも自分のことがわからなくなってしまう」という迷路に陥りやすいです。

寂しくて人と関わりたい時もあれば、逆に他人との関わりにうんざりして1人の世界に入り込むなんてことも少なくありません。「不安」と「回避」のどちらの特徴が出やすいかは人によってさまざまですが、多くの方は支離滅裂な自分に嫌気がさして、激しい自己嫌悪に陥ってしまうことも。きっとこれまで周囲に理解者がいなかったことでしょう。本当にツラかったと思います。

ここまで恐れ回避型の代表的な特徴を説明しましたが、ここからはより詳細な特徴を見ていきたいと思ます。

「恐れ・回避型」の特徴とは?

間違うことへの恐れ

恐れ・回避型の方の多くは、日常生活を送る中で強い不安や恐れを感じていると思います。例えば、「自分の行動は正しいかな?」「間違っていないかな?」というように。世間や周囲の目から見て「普通」や「正しいこと」に対して敏感になりやすい側面があります。生きていく中で自分の理解者が極端に少なかったため、「自分の考えや行動は間違っている」という感覚を持ってしまいやすいのです。そのため、ご自身の本音はなるべく隠して、周囲に合わせた態度や言動をとりやすくなります。

人間関係の複雑化

「恐れ・回避型」の方は、人間関係におけるしんどさを感じることが多いと思います。冒頭でも申しましたが、異常に寂しくてたまらない時もあれば、他人と距離を置きたくなることもあると思います。これは過去に体験したトラウマやご両親との関係の不和などから、周りの人間に対して警戒心を感じやすくなるためです。

さらに、新しい人との関わりの中でも、グッとお腹に力が入るような緊張感を感じてしまいます。逆に「初対面はたくさん話せるけど、2回目以降がしんどい」ということも。これらの理由も先ほどと同じで、過去のイヤな経験の影響で、他人に対して心を開くことが難しくなるためです。例えば、過去、他者に心を開いて拒絶された経験などから、他人と距離を縮めることに潜在的な恐怖を感じるようになったりします。本人からすれば過去から学んでた「自分を守るための行動」ですが、そのせいで意図せず、孤立した状態になってしまうことも。この行動は無意識で行われるので、ご自身で止めるのは難しいです。ちなみに私は、この反応が色濃かったため、自分のことが心底嫌いになってしまった時期もありました。

慣れない環境への警戒心

恐れ回避型の方は新しい環境などに、強い警戒心を抱きやすいです。誰でも多かれ少なかれ慣れないものには不安や緊張感を感じますが、恐れ・回避型の方の場合はもっと多くの怖さを感じています。よって本人は社会との関わりを最低限だけ保持しており、人間関係においても心から信頼している方だけ心を開きます。ただこの特性によって、他者から騙されにくかったり、怪しい情報に惑わされないというメリットも存在しています。

本当の自分を出せない

「恐れ・回避型」の人は、周囲の人間に理解者が少なかった経験から、ありのままの自分を表現するのが苦手かもしれません。集団の中で生きていると「他者との感覚の違い」が表面化し、それによって自信が持なくなります。そして「本当の自分はきっと誰にもわかってもらえない」と思い、いつの間にか本心を抑えて周囲と関わるようになります。

克服方法

ご自身が「どれだけリラックスできる状態を生み出せるか」が重要になってきます。恐れや不安感から目を逸らして心を落ち着けることが、「恐れ・回避型」の根本治療を促してくれます。目の前にあることに意識を集中できたらベスト。なるべく「今ココ」を意識して没頭して、ご自身がラクだと感じる状態を作ってみてください。やり方はいろいろあると思います。瞑想、運動、アロマを炊いたお風呂など。なんでも大丈夫です。ご自身にとって周りが気にならず、なるべくリラックスできる状態を意識していきましょう。また、自分の内面を何かに映し出すことも有効です。気持ちを表現することは心を満たしてくれますし、より簡単に没頭の状態を生み出してくれます。

また、もし現在、信頼できる人間関係やコミュニティとの関わりがありましたら、なるべく関わりを繋いでおくのがいいかと思います。恐れ回避型の方々は、完全な孤独より、多少人との関わりが持てる環境の方が改善が早いと思います。そして、その場所が「安心感」を感じられる場所ならとても良いです。「安心感」を通してご自身の創造性が活性化されることで、生きづらさの改善に良い影響を及ぼしてくれます。

このような小さな積み重ねが、やがて、ご自身の人間関係や社会との関わり方に、前向きな変化を生んでくれると思います。ぜひ試してみてくださいね。

愛着障害「恐れ・回避型」の方は、他人からの理解を得ずらく、孤独感を感じることも少なくないでしょう。時に、周りと比べてしまい「どうして自分はこんなにめんどくさい奴なんだろう」と嫌気が指すこともあるかもしれません。私もそうだったので、お気持ちはよくわかります。しかし現状が同じような景色に見えていても、ご自身をいたわる小さな積み重ねによって、ありのままのあなたが復活していきます。このことを忘れないでください。今この記事を読んでくださっている方の心に小さな火が灯せたなら幸いです。

ではこの辺で。ありがとうございました。

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