こんにちは。心理カウンセラーの角田元輝です。
今回は、「自分が間違っているんじゃないか?」と感じやすい方へ向けて、その原因と対処法をお話ししていきます。結論から言ってしまうと、その気持ちの裏には「恥の感情」が隠れていることが多いです。「恥」と聞くとあまりいいイメージは湧かないかもしれません。世間では「恥の感情」は悪いものとして扱われることが多いですよね。「恥ずかしがっている場合じゃない」とか「努力で乗り越えろ」といったこともよく耳にします。「できれば無くなってほしい感情」と感じる方も少ないくないかもしれません。でも実は、「恥の感情」そのものが完全に悪というわけではないのです。では、一体何のために「恥」は存在しているのか?
この記事では恥の役割をお伝えしつつ、「自分が間違っている」と感じる感覚を手放すための具体的な方法を解説していきます。
恥の役割とは?人間関係のセンサー?
恥は、私たちが他者との関係性を築くうえでの大切な感情です。
例えば、他者にとって「これ以上踏み込まれたら困る」ときや、自分が「他者と距離を置きたい」ときに、一種の警告のようなものを鳴らしてきます。恥は、言わば自分と他者との境界線を守るためのセンサーの様な役割を果たしています。人間は大昔から一人では生き残れず、コミュニティの中で生活することで、生存確率を高めてきました。一説によると、恥はそのコミュニティ内で社会的なつながりを維持するために発達してきたと言われています。
幼少期の体験がもたらす「慢性的な恥」
「自分が間違っているかもしれない」という感じる方は、幼少期に「恥が慢性化するような経験」をしてきた可能性が高いです。例えば、親や周囲の大人からの否定的な言葉や反応、過剰な期待からの心理的支配などが原因だったりします。
こうした体験が繰り返されると恥の感情が慢性化してしまい、「自分は正しくない」「どうしたらいいかわからない」といった状態に陥いりやすくなります。
自己感覚を高めることがカギ
では、どうすれば「自分が間違っている」という感覚を手放せるのでしょうか?
ポイントは「自己感覚」を高めることです。「自己感覚」とは「自分の価値や重要性を、自分自身が評価している状態」のこと。そして「自己感覚」を高めるには、「安心感」を生み出すことが大切です。
さらに「安心感」を高めるには、「他者とのつながりを感じること」が必要になります。
例えば、誰かとアイコンタクトを取る、声の調子や言葉のリズムを合わせるといったことが、無意識に安心感を生み出します。この一体感が、自分自身の存在を受け入れられているという感覚につながり、恥の感情の抑制に繋がるのです。
自己感覚、自己肯定感、自信の違い
ここで、似たような言葉である「自己感覚」「自己肯定感」「自信」の違いについて整理しておきましょう。
- 自己感覚
- 自分の価値や重要性を自分自身が評価する感覚。
- 能力や成果ではなく、「自分の存在そのもの」に対する価値を感じるもの。 - 自己肯定感
- 自己感覚よりもふわっとした概念で、「ありのままでいい」と感じられる感覚。 - 自信
- 自分の能力に対する評価。
- 特定の分野で成果を出すことで得られるが、それが他の分野に影響するとは限りません。
慢性的な恥を手放す方法
「自分が間違っている」という感覚を手放すためには、安心感を生み出し、自己感覚を高めることが大切です。ここから、おすすめの方法を紹介していきます。
ミラーリングでつながりを感じる
ミラーリングとは、相手の動作や言葉を自然に真似することです。恋愛テクニックなどでよく耳にするものです。
目的は、相手が「自分を見てくれている」「関心を持ってくれている」と感じて、安心感を生み出していくことです。オススメのやり方は、趣味や好きなことのコミュニティに参加することです。これは自己感覚を高めるためにとても効果的です。好きな話題について語り合うことで、他者とリラックスした繋がりを育むことができます。他者と打ち解けるなかで、「自分はここにいていいんだ」「ありのままでいいんだ」と感じられ、安心できる時間が増えていくでしょう。
まとめ
「自分が間違っている」と感じる感覚は、幼少期の体験などから生まれてくる「慢性的な恥」が影響しています。この感覚を手放すために、安心感を高め、自己感覚を育むことが重要です。そのためには、好きなことを通して他者と繋がることが有効です。ぜひ、イヤにならない程度で、少しづつ実践してみてください。皆さまが「恥の感情」から解放されて、自分らしい人生を謳歌されていくことを心から祈っています。
では、今回は以上です。なにか質問や感想があれば、お気軽にコメントしてください。
ありがとうございました。
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